「前に借りた融資を、まだ返している途中。でも、設備を入れ替えたい。運転資金も少し厚くしておきたい」。
事業を続けていると、こうした場面は自然に出てきます。そのとき多いのが、「返済中なのに、もう一度借りてもいいのだろうか」という迷いです。
この記事では、2回目の融資(追加の融資)を考えるときに、申し込む前に整えておきたいことを整理します。
返済中かどうかより、「これまで」が見られる
返済の途中だから申し込めない、という決まりがあるわけではありません。ただ、1回目と2回目では、見られるものが変わります。
1回目の融資では、これからの計画が中心でした。2回目になると、そこに「前回のお金で、実際に何が起きたか」という記録が加わります。
「前の借入を半分くらい返してから」という話を耳にすることもありますが、返した割合だけで決まるものではありません。金融機関や状況によって見方は変わるので、目安は相談先で確かめるのが確実です。
2回目の融資で見られる3つのこと
- 前回のお金の使い道と、その結果:申し込んだときに説明した使い道どおりに使われたか。その結果、売上や受注はどう変わったか
- これまでの返済:毎月の返済が予定どおり続いているか。遅れたことがあれば、その理由と、今はどうなっているか
- 借入の全体と、返すお金:今ある借入と新しい借入を合わせて、毎月返していけるだけのお金が事業に残るか
どれも、新しく作る資料というより、これまでの事実を並べて見せるものです。だからこそ、申し込む前に自分で一度並べておくことが大切になります。
まず「借入の一覧」を作る
最初にやることは、今ある借入をすべて1枚に書き出すことです。金融機関からの融資だけでなく、リース、車のローン、役員からの借入など、毎月返しているものは全部入れます。
1つの借入ごとに、次の項目を書きます。
- 借入先
- 借りた時期と、当初の金額
- 今の残り(残高)
- 毎月の返済額
- 最後の返済の月
- 何に使ったお金か
書き出してみると、「毎月の返済が合計でいくらになっているか」「あと何か月で終わる借入があるか」が見えてきます。返済の予定表や通帳と突き合わせて、数字が合っているかも確かめておきます。面談で出す書類どうしの数字が食い違っていると、それだけで説明が難しくなるからです。
前回の使い道を、結果まで説明できるようにする
2回目の相談では、「前回のお金は何に使いましたか」と聞かれることがあります。ここで答えたいのは、使い道だけではありません。
- 設備資金だった場合:何を入れたか。それで受けられる仕事や作業の量がどう変わったか
- 運転資金だった場合:入金と支払いの時間差をどう埋めたか。その間に受注や売上がどう動いたか
そして、今回の使い道が前回の流れの続きとして説明できるかを考えます。「前回の設備で仕事が増えたので、次の設備が必要になった」なら、話は1本につながります。
反対に、前回の借入を返すために、もう一度借りる形になっていないかは、正直に確かめておきたいところです。お金の使い道の考え方はお金の使い道の記事で整理しています。
資金繰り表で、返済が重なった形を確かめる
借入の一覧ができたら、今の返済に、新しい借入の返済を足した形で資金繰り表を作ります。
- すべての月で、月末の残高がプラスになっているか
- 1年間の返済の合計が、事業で残るお金の中に収まっているか
- 今の借入が終わる月と、新しい借入の返済が始まる月がどう重なるか
返済が終わる借入があれば、その月から返済の負担は軽くなります。逆に、新しい返済が始まる月に、納税や大きな仕入れが重なっていないかも見ておきます。返済期間の決め方は返済期間と据置期間の記事、資金繰り表の作り方は資金繰り表の記事にまとめています。
追加で借りるか、今は出さないか
一覧と資金繰り表を並べると、判断が分かれることがあります。
- 流れがつながっている:前回の結果が数字に出ていて、返済を足しても残高が保てる。それなら、時期と金額を決めて相談に進めます
- 毎月の返済がすでに重い:追加で借りる前に、返済の形そのものを相談先に相談したほうがよいこともあります。どんな方法があるかは、借りている金融機関に確かめます
- 前回の結果をまだ説明できない:先に試算表や受注の記録を整えてから出すほうが、結果的に早く進むことがあります
どこに、どの順番で相談するかは相談先の記事、申し込む時期の決め方は申し込む時期の記事で紹介しています。
今日できること
- 今ある借入を、リースやローンも含めて1枚に書き出す
- 毎月の返済の合計額と、いちばん早く終わる借入の月を確かめる
- 前回借りたお金で「何が変わったか」を、ひとことで書いてみる
まとめ
- 返済中かどうかより、これまでの使い道・返済・借入の全体が見られます
- 最初に、すべての借入を1枚の一覧にして、数字を突き合わせます
- 前回の使い道は、結果まで説明できるようにし、今回の使い道とつなげます
- 資金繰り表は、今の返済に新しい返済を足した形で確かめます
- 返済がすでに重い、結果をまだ説明できないときは、先に整えることも選べます
2回目の融資は、1回目よりも「積み重ねてきたこと」がそのまま材料になります。だからこそ、借入と数字を自分の手元で並べておくことが、いちばんの準備です。
「借入がいくつかあって、全体が分からなくなっている」「追加で借りてよいか判断がつかない」という方は、ご相談ください。今ある借入と、この先の入金・支払いを一緒に並べて、追加で借りるかどうかを整理します。
融資サポートの内容と料金は、融資サポートのページにまとめています。

