事業の融資、面談で聞かれること|すでに事業をしている方が準備したい答えと「その場で出せる現物」

「融資の申し込みをしたら、面談の日程の連絡が来た」。

すでに事業をしている方が、運転資金や設備資金の融資を申し込むと、多くの場合、金融機関の担当の方との面談があります。

何を聞かれるのか分からないまま当日を迎えると、緊張して、出した書類と違う数字を口にしてしまうこともあります。

先にお伝えすると、面談は詰められる場ではありません。金融機関が「きちんと返せるか」を確かめる場です。この記事では、すでに事業をしている方の面談でよく聞かれることと、準備の仕方を整理します。

これから開業する方の面談については、日本政策金融公庫の創業融資の面談の記事にまとめています。


目次

創業の面談との違い|計画より「実績」から聞かれる

開業前の面談は、まだ実績がないので、計画書の中身が中心になります。

すでに事業をしている場合は違います。決算書や試算表という実績の数字があるので、質問はそこから始まります。

  • 決算書の数字は、なぜこうなっているのか
  • 決算のあと、今期はどう動いているのか
  • そのうえで、なぜ今このお金が必要なのか

つまり、計画をうまく語れるかより、出した書類の数字を自分の言葉で説明できるかが見られます。


よく聞かれる5つのこと

聞かれ方は金融機関や担当の方によって違いますが、中身はおおむね次の5つにまとまります。

1|今の業績

直近の売上と利益はどうか。決算のあと、売上は増えているのか、減っているのか。試算表の数字をもとに聞かれます。

2|数字が動いた理由

赤字になった、売上が落ちた、経費が増えた。決算書で目立つ動きがあれば、その理由を聞かれます。一時的なものか、続くものかがポイントです(赤字の決算でも融資の相談はできるかの記事)。

3|お金の使い道と金額の根拠

何に使うのか。なぜその金額なのか。設備なら見積書、運転資金なら、いつ・いくら足りなくなるのかを聞かれます(お金の使い道の説明の記事)。

4|これからの見通し

今後の売上は何に支えられているのか。取引先はどこで、仕事は続く見込みがあるのか。

5|返済の原資

毎月の返済を、事業のどこから出すのか。ほかに借入があれば、その返済と合わせて回るのか。資金繰り表で、毎月の残高の動きを示せると説明が短く済みます。


実際の面談で聞かれたのは、2つだけだった

以前、ご相談を受けた事業者の方の面談で、実際に聞かれたのは次の2つでした。

  • 売上の数字の根拠:計画に書いた売上は、どこから来ているのか
  • 今の事業の見通し:これからも仕事は続いていくのか

1つ目には、申し込みのときに出してあった月別の計画の平均値で答えました。根拠になる書面がすでに相手の手元にあったので、「計画の平均値です」の一言で話が済みました。

2つ目には、継続して取引している会社の数を伝え、そのうえで来月分の請求書を見せました。

5つのうち、聞かれたのは「売上の元になる仕事が実際にあるか」と「返していくお金がどこから生まれるか」に当たるところでした。面談の質問は、結局ここに集まっていきます。


言葉より効く2つの準備

1|根拠になる書面を、先に渡しておく

面談の場で、ゼロから説明を組み立てるのは大変です。売上の根拠、お金の使い道、資金繰りの見通しは、申し込みの段階で書面にして出しておくと、面談では「その書類のこの数字です」と短く答えられます。

書類をそろえる目的は「提出すること」ではなく、面談で短く答えられる状態をつくることだと考えると、準備の中身が変わります。

2|話ではなく「現物」を出す

「取引先は10社あります」は、話です。来月分の請求書は、現物です。

仕事が続いていることを伝えるなら、言葉で重ねるより、請求書・契約書・注文書・入金の記録された通帳など、その場で見せられるものを1つ持っていくほうが伝わります。

面談の前に、「この質問が来たら、これを出す」という組み合わせを決めておくと落ち着いて臨めます。


面談の前にやっておきたいこと

  1. 出した書類を、もう一度声に出して読む:決算書・試算表・計画・資金繰り表の主な数字を、自分の口で言えるか確かめます
  2. 決算書で目立つ数字の理由を、1つずつ短く書く:赤字、売上の増減、大きな経費など
  3. 5つの質問それぞれに「出せる現物」を1つ決める:請求書・契約書・見積書・通帳など
  4. 分からないことは「確認して、あとでお伝えします」でよいと決めておく:その場で数字を取り繕わない

面談のあとに、追加の資料を求められることもよくあります。試算表や通帳、契約書は、すぐ出せる場所にまとめておきます。

今日できること

  • 直近の決算書を開いて、「なぜこうなったか」を聞かれそうな数字に印をつける
  • 来月以降の仕事が分かる請求書・注文書・契約書を、1つのフォルダにまとめる
  • 借りたいお金の使い道と金額を、1行で言えるか書いてみる

まとめ

  • 面談は、金融機関が「きちんと返せるか」を確かめる場です
  • すでに事業をしている場合は、計画より決算書・試算表の実績から聞かれます
  • よく聞かれるのは、今の業績・数字が動いた理由・お金の使い道・これからの見通し・返済の原資の5つです
  • 根拠になる書面は申し込みの段階で先に渡しておくと、面談で短く答えられます
  • 仕事が続いていることは、言葉より請求書などの現物で示します

「書類は出したけれど、面談で何をどう説明すればいいか整理できていない」という段階でも、ご相談いただけます。出した書類を一緒に見ながら、聞かれそうなことと、そのときに出すものを1つずつ決めていきます。

融資のサポートの内容は、融資・資金調達のサポートのページにまとめています。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次