リール動画、4時間の作業が1時間に

リール編集が4時間→1時間に。AIに"任せる前"にやったこと

先日、登壇したイベントの映像から、31秒のリールを作りました。

実際に作成した動画

「お金の選択と集中」というテーマで、30分ほど話をした日です。
会場の空気や、参加者の反応も、映像に残しておきたいと思いました。

素材は、スマホで撮った、細切れの映像です。
長くて10秒ほどの映像が、何本もあります。

これを1本につなぎ、字幕をつけて、公開できる形にする。

以前の私なら、半日仕事です。
感覚では、4時間はかかっていました。

今回、AIを使って、1時間で仕上げました。

4倍の差です。
正直、自分でも驚きました。

目次

早くなった理由は、AIの性能ではない

早くなった理由は、AIが優秀だから、ではありません。
先に、どこで時間を溶かしていたかを、洗い出したからです。

動画編集で一番時間がかかるのは、二つです。
「どこで切るか」と、「テロップをどう合わせるか」。

以前は、この二つを、感覚だけでやっていました。
タイムラインを何度も見返して、耳で聞いて、目で確認する。

語尾を切ると、聞きづらくなる。
かといって間を残しすぎると、テンポが悪くなる。

字幕も同じです。
声とタイミングがずれると、それだけで見づらい動画になります。

この「ちょうどいい場所」を探す作業に、時間の大半を使っていました。

AIは手段、大事なのは境界の判断

ここをAIに任せました。
沈黙と言葉の切れ目、字幕のタイミングを、機械的に検出させる。

AIは、候補をいくつも出してくれます。
「ここで切れます」「ここに字幕を合わせられます」、と。

でも、それをそのまま使ったわけではありません。

「このカットでいいか」
「この言葉で切って、意味が変わらないか」

一つずつ、私が確認しました。
実際、何箇所かは、AIの提案どおりだと不自然でした。
そこは、手で直しました。

AIは、候補を出します。
でも、それでいいかを決めるのは、私です。

作業の時間は、大きく減りました。
判断の回数は、減っていません。

実際に使った指示

参考までに、私が実際に使った指示です。
順番は、文字起こし→カット→テロップです。
動画編集の経験がなくても、同じように試せます。

①文字起こしの指示

多くの人は、Claude Code(AIに作業を頼めるツール)で文字起こしができることを知りません。
最初のハードルは、ここだと思います。

この動画ファイル(ファイルパスを指定)の音声を文字起こししてください。

条件:
・単語ごとのタイムスタンプ付きで出力すること
・話し言葉のまま書き起こし、言い回しを直さないこと
・聞き取れない箇所は[不明]と記載すること

Claude Code自身が音声を聞いているわけではありません。
文字起こし用のツールを、代わりに動かしてもらう指示です。
環境によって使えるツールが違うので、うまくいかない場合は「このパソコンで使える方法を教えて」と聞き直してください。

②カットの指示

このセリフの書き起こし(単語ごとのタイムスタンプ付き)をもとに、
動画の無音・不要区間をカットしてください。

条件:
・語尾(です/ます/でした等)を削らないこと
・カットの境界は、必ず単語の区切りタイムスタンプに合わせること
・カット後、単語が途中で切れていないか、重複していないかを確認すること




③テロップの指示

このカット済みの動画に合わせて、字幕(SRT)を作ってください。

条件:
・字幕の開始・終了は、セグメント全体の時刻ではなく、
 実際の単語タイムスタンプに揃えること
・沈黙のあとに発話が始まる場合、そのズレ(2〜3秒程度)を
 字幕の開始時刻に反映すること
・自然な言葉の区切りで改行すること




これで出てきたカット案・字幕案を、そのまま使ったわけではありません。
一つずつ、映像を見ながら確認しました。

条件を先に細かく書くほど、AIの候補の精度は上がります。
それでも、最後に見るのは自分です。

指示を出すときの注意点

・ファイルの場所は、正確に伝える(あいまいだと、違うファイルを触られることがあります)
・出力形式を先に決めて伝える(タイムスタンプ付き、SRT形式など)
・音声や映像に個人情報が写り込む場合は、そのツールが外部にデータを送るかどうかを先に確認する
・出てきた結果を、一度で信用しない。必ず自分の目と耳で確認する

「判断」は、AIには任せられない

今、私は一人社長の方に、この編集の任せ方を伝える手伝いをしています。

ただ、一度覚えて終わり、ではありません。

撮る素材が変われば、切るべき場所も、毎回変わります。
イベントの映像と、日常の映像では、テンポも違います。

新しい動画を作るたびに、また「ここで切っていいか」を決める場面が来ます。

AIは、候補をいくらでも出します。
でも、今の映像で、それが正しいかは、AIには決められません。

これは、動画に限った話ではありません。
融資の書類も、補助金の使い道も、同じです。

AIは、選択肢を出せます。
でも、「今のあなたにとって、それが正しいか」は、一緒に考える人が必要です。

そこにずっと立ち会うのが、私の仕事です。

今日からできること

いきなり全部を任せる必要はありません。
まずは、一つの作業だけで試してみてください。

・今、時間がかかっている作業を、一つ選ぶ
・条件を、できるだけ具体的に書き出す
・出てきた候補を、そのまま使わず、自分の目で確認する

条件を書き出すこと自体が、実は一番の棚卸しになります。
何を大事にしていたか、自分でも見えてくるからです。

目指すのは、一人で判断を抱えなくていい状態

目指すのは、AIに詳しくなることではありません。
一人で判断を抱え続けなくていい状態です。

作業は、手放していい。
判断まで、一人で背負わなくていい。

一人社長は、決める人が自分しかいません。
だからこそ、その判断に、誰かが立ち会う意味があります。

あなたが今、一人で抱えている作業の中に、任せられるものはありますか。
そして、その先の判断を、誰かと一緒にできていますか。


今回の編集も、講演の内容も、AIに聞けば「それらしい答え」は返ってきます。
でも、私がその場で何を伝えたかったかは、私にしかわかりません。

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